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Column 024 | 2019.05.25

カビを食べると、どうなる?避けすぎると病気になる理由。

食パン
食パン

朝、食パンを焼こうと思ったらカビが生えている。ちょっとしかカビていないけど全部捨てた方がいいのだろうか。

いろんな場面で遭遇するカビ。


食パンだけではなく、日常のいたるところでカビの生えている食材に遭遇する。

例えば、

  • ショウガ
  • みかん
  • 餅 など

その他、飲み終えたペットボトルの底に発生したり、エアコンに発生したりもする。

普通の人は、カビでは病気にならない。


誤ってカビを食べてしまって、病気になるのではないかと気になる人もいるかもしれないが、日常生活を普通に送れている人がカビで病気になることはまずない。

よほど免疫が弱っていない限り病気にはならない。


カビ由来の病気は存在するが、免疫機能が正常に働いていれば問題が起こることはまず無い。

危険なのは、抗がん剤の副作用によって免疫機能が異常に弱っていたり、免疫の弱い非常に高齢の人や、集中治療室に入っているような特殊な病人の場合。

高齢者が起こす肺炎なども、本来であれば問題の起こらない弱いウィルスや細菌により発症する。

そもそもカビは空気中にたくさんいる。


カビと言えば、食パンやみかんなどに発生する目に見える状態のカビを想像するが、μm(マイクロメートル)単位の大きさであり、空気中にいくらでも浮遊している。

綺麗な食パンを部屋の中に置いておけば、カビが生える。これは、空気中に存在するカビが原因である。

エアコンがカビ臭かったりするのも、空気中のカビを鼻の受容体が認識しているからである。

そもそも日常の中でカビを食べてる。


カビは様々な場所に存在するため、仕事に行ったり、スーパーに行ったり、日常生活を送っていれば、普通に空気中のカビを食べている。

それで日常に問題が無く健康であるということは、カビがカラダに入ったとしても、そのカビを抑え込めるだけの免疫を持っているということの証明になる。

もし、カビを抑え込めないほど免疫機能が弱っていれば、外出はできない。

それから、カビが大量にカラダには入らない。


まず、見た目でカビが生えていると判断すれば、本能的にその食材を食べることは無い。

もし、カビの付いた食材を誤って食べたとしても、味、食感、臭いで違和感を感じれば、本能的にすぐに吐き出す。

人間の防衛本能が自然に働く限り、微量にカラダに入ることはあっても大量に入ることは無い。

カラダに入っても免疫機能で殺される。


第一の免疫機能は口であり、その後は胃の消化液で殺される。それに耐えたとしても、腸内の免疫細胞により処理される。

栄養を吸収する腸管の免疫機構を突破し、栄養と一緒に血液中に侵入したとしても、血液中の免疫細胞にも殺される。

このような免疫機構で抑え込むことができなくなって、はじめて人間のカラダは病気になる。

本来、病原体に接触する機会の多い自然界で生活するために進化した機能である。

なぜ、カビ(病原体)を避けすぎると病気になるのか?


そもそも、人間は動物であり、自然の中で生活する生き物。カラダの機能はすべて自然界のライフスタイルに合わせて進化したもの。もし、その前提条件が崩れ、自然界の生活からズレ過ぎると問題が生じる。

本来、自然界は病原体だらけ。


自然界では、動物の死骸や、食べ残し、腐りかけの果物や野菜などがそこら中に存在している。つまり、カビはいたるところで発生するし、空気中に浮遊している。

自然界にはカビだけでなく、ウィルスや細菌などの病原体も無数に存在している。

病原体
病原体

現代社会の生活環境とは真逆の環境である。

病原体に接触するからカラダは強くなる。


過酷な自然環境で動物たちが、なぜ生きれるのか。それは、その環境に適応しようとしてカラダの免疫機能を高めているから。

動物は、カラダに入る病原体をも利用して環境に適応できるように進化してきた生き物。

これが、生物に備わった環境適応能力である。

病原体に接触しなくなるとカラダは弱くなる。


現代社会は、除菌・抗菌の非常に清潔な世界。病原体を避け続けてきた世界とも言える。

人間のカラダは、過酷な環境であればあるほど強くなるし、過保護な環境であれば、それに適応しようとして体は弱くなる。

現代人の免疫低下の要因の一つである。

免疫機能が弱れば、病気を発症する。


本来、生き物のカラダは、免疫機能が正常に機能しているから病気になることも無く、病気になっても問題を解決できるようにできている。

つまり、病気から守る力が弱まれば、病気になりやすくなる。これは、風邪のような日常的な病気だけではなく、現代人を悩ます心臓病や癌、肺炎などの疾病の将来発症リスクにまで影響を及ぼす。

現代人と本来の自然界とのズレは、生活環境だけでなく、運動・食事・睡眠・ストレスなどのライフスタイルそのものである。現代人の疾病の多くの根本原因はここにある。

注意


当たり前であるが、カラダを強くしたいからと言って、無理にカビを食べてはいけない。過剰に清潔にするのではなく、普通に生活をすればいいのである。

自然界でのライフスタイルから離れすぎることが問題なのである。ある程度は許容できても、一定のラインを越えれば問題が生じる。

まとめ


カビの生えている部分を取り除いて、少し食べてみて味が変でなければ食べても問題は無い。味が変なら、あきらめて捨てる。

カビを誤って多少食べたとしても、神経質になりすぎることは無い。日常生活を送れている健康な人であれば問題は無い。

ただし、気分が悪い、体調が悪い、腹痛があるなど何か症状を感じた場合は、病院に行くべきである。

Column 024 | 2019.05.25