宮崎大学農学部の藤井昇博士らが、原糖中から優れた多糖生産能力を有する菌株を発見し、アウレオバシジウム属であると同定した。
宮崎大学工学部において、菌株の産生物の化学構造を調べたところ免疫賦活作用の高いβ-1,3-1,6-グルカンであることも判明した。
ソフィβ-グルカンの研究の歴史
ソフィβ-グルカンの研究の出発点としては、1973年頃に、製糖工場が粘質化した砂糖の成分分析を藤井昇博士に依頼したことから始まります。調査の結果、黒酵母(アウレオバシジウム属)の混入が原因であるとわかります。
最初は、水をキレイにするための水処理を目的として研究は進みますが、培養条件によっては、免疫賦活作用のあるβ-1,3-1,6-グルカンを産生することがわかり、機能性食品としての研究へと移っていきます。
健康食品として製品化するために毒性試験が実施され、1996年には厚生労働省で安全性も確認され、既存食品添加物としての認可も受けます。
2005年から、黒酵母(アウレオバシジウム)の産生したβ-1,3-1,6-グルカンは、「ソフィβ-グルカン」という学術名称により多くの研究成果が各種学会で発表されるようになります。
2009年には、ソフィβ-グルカンは健康食品として販売されるようになります。それと同時に、薬にするための臨床試験を実施することになります。約2年半にもおよぶ臨床試験は終わり、その研究成果は高い評価も受けることになります。
ソフィβ-グルカンは、医薬品としての臨床試験に合格しており、本来であれば薬としての認可を受けることが許されたものです。しかし、厚生労働省が安全性を立証していたため、医薬品にしない選択肢も与えられたものです。
最終的には、ソフィβ-グルカンは薬にせず、これまで通り一般消費者が購入することのできる機能性食品としての道を選ぶことになります。医薬品レベルの機能性と食品としての安全性をあわせもつ特殊な成分が誕生することになりました。