TOP > 成分情報 > β-グルカン解体真書

第一章|β-グルカンのすべて

5. 健康食品におけるβ-グルカン

03

β-グルカンの含有量が多ければ良いわけではない。


はじめに。

健康食品の市場では、β-グルカンの含有量・濃度が、商品の機能性にもっとも重要な因子であるかのような表現がとられていることも少なくありません。

はたして、量という概念はβ-1,3-1,6-グルカンの機能性を論じるのにふさわしいのでしょうか?


β-グルカンは金鉱石に例えられる。

β-グルカンは食物繊維ですが、その中には免疫をサポートしてくれる成分も存在します。例えるなら、金の含まれた金鉱石とも言えます。

金鉱石と金
金鉱石と金

ただし、いくら金が含まれてはいても、石のままでは、それは石(食物繊維)でしかありません。金は石から取り出して、はじめて金としての価値をもちます。


β-1,3-1,6-グルカンは、貴金属。

β-グルカンが金鉱石なら、β-1,3-1,6-グルカンは、鉄やアルミといった貴金属とも言えます。その中の一部に金も含まれます。

β-グルカンとβ-1,3-1,6-グルカン
β-グルカンとβ-1,3-1,6-グルカン

市場では、β-1,3-1,6-グルカンが良いと言われていますが、実際にはその中のごく一部の化合物が免疫をサポートできるβ-グルカン(金)です。

免疫をサポートできるβ-グルカンとは、シイタケ由来のレンチナンや、スエヒロタケ由来のシゾフィラン、黒酵母由来のソフィβ-グルカンなど、ヒトで機能性が立証されたものです。


私たちが知りたい重さとは、金の重さ。

β-1,3-1,6-グルカンの中の、免疫をサポートしてくれるβ-グルカン(金)の重さが知りたい重さです。そして、消費者は、金の重さを比較して商品を選びたいはずです。


しかし、石(β-グルカン)の重さしかわからない。

なぜなら、現在行われている一般の食品分析方法では、セルロース(β-1,4-グルカン)の一部や、β-1,3-1,4-グルカン、β-1,4-1,6-グルカンなどもβ-グルカンとして一緒に検出されてしまうからです。

現在の測定方法では、金だけの重さを量ることができません。

金鉱石(β-グルカン)
金鉱石(β-グルカン)

表示されているのは石の重さ。

市場にある商品に表示されているのは、金の重さではなく、石(β-グルカン)の重さです。

つまり、金が一番多く入っていると推測される一番重い石を選んでいる状態に似ています。

金が全く入っていない可能性もあります。しかし、よくβ-グルカンのことを知らない消費者は、表示されている重さが金の重さだと誤解してしまいます。

結局、市場に存在するβ-グルカン商品の含有量や濃度を比較しても、求める答えは見つからないとも言えます。


例外の商品が一つだけある。

黒酵母由来のソフィβ-グルカンだけは、β-1,3-1,6-グルカンの定量法を独自に確立しています(特許技術)。

β-1,3-1,6-グルカン(貴金属)の重さがわかっても、金の重さは分かりませんが、ソフィβ-グルカンの場合は、純粋な金そのものを作り出す技術でつくられたβ-グルカンであるため、 β-1,3-1,6-グルカン(貴金属)の重さが、そのまま金の重さになります。