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第一章|β-グルカンのすべて

3. β-1,3-1,6-グルカンとは

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β-1,3-1,6-D-グルカンの“D”の意味とは?

鏡像異性体
鏡像異性体

まず、鏡像異性体とは。

同じ構成原子でできてはいるが、まるで鏡に映したような関係にある化合物を鏡像異性体と言います。

例えるなら、人間の右手と左手の関係のようなものです。


D/L表記法とは。

鏡像異性体を区別するための古い表記法の一つ。片方をD体といい、D体の鏡像異性体をL体と言います。化合物をより詳しく表現するための方法の一つです。


グルコースのD体とL体。

β-グルカンの構成単位であるβ型グルコースにも、D体とL体が存在します。

D-グルコースとL-グルコース
D-グルコースとL-グルコース

自然界にはD体のグルコースしかない。

人工的に合成すればL体も作れますが、通常は自然界にL体は存在しません。


β-グルカンは、基本的には全部 β-D-グルカン。

より正確に化合物を表現するのであれば、“D”を付けます。しかし、自然界にD体しか存在しないのであれば、あえてD/L表記をしなくても通じるとも言えます。

特別な意味を持たせたい場合は、Dを付けますが、そうでない場合はDを付けずに表記されることが一般的です。


補足:どの表記も同じものを意味する。

自然界に存在するβ-グルカンの場合は、Dを付けても付けなくても意味は同じです。

Dを使わない表記 Dを使う表記
β-グルカン β-D-グルカン
β-1,3-グルカン β-1,3-D-グルカン
β-1,3-1,6-グルカン β-1,3-1,6-D-グルカン

補足:Dがついているから、特別なわけではない。

Dがついている方が特別な感じがしますが、D/L表記の方が優れたβ-グルカンであるわけではありません。あくまで、ただの表記法に過ぎません。