すべて病原体として認識されるもの。
免疫サプリメントは、普通に生活していては食べないものであり、人間のカラダにとっては病原体(異物)として認識されます。世の中に病原体として認識される成分はたくさんあり、免疫サプリメントはそのごく一部。
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序章|免疫サプリメントについて
4. 免疫サプリメント選びで迷った時に。
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免疫サプリメントは、普通に生活していては食べないものであり、人間のカラダにとっては病原体(異物)として認識されます。世の中に病原体として認識される成分はたくさんあり、免疫サプリメントはそのごく一部。
天然由来であっても、特殊な製法で取り出した時点で、その成分は天然のモノとは異なる状態であり、人間のカラダには、あってはならないもの(=病原体)として認識されてしまいます。
免疫とは、自己以外をすべて除去するためのシステムです。自分のカラダと、カラダに必要なモノ(栄養となるものや、一緒に暮らしている細菌など)以外のものはすべてが除去の対象になります。
免疫サプリメントは病原体として認識されるものであるから、どれも自然に免疫系が活性化するということになります。
ちなみに、普段食べている食物や共生細菌などが免疫の攻撃を受けないことを「自己寛容」と言います。
体内の免疫細胞は、目視で病原体を認識しているのではなく、その成分の特徴的なカタチ(立体構造)で病原体かどうかを判断しています。
簡単に言えば、受容体のカタチにはまるものなら、すべて病原体として認識されます。
病原体のもつ特殊な立体構造を病原体関連分子パターン(PAMPs)と言い、PAMPsを認識する受容体のことを、パターン認識受容体(PRRs)と言います。PRRsは、免疫細胞だけでなく、腸管上皮細胞などにもあります。
人間が自然界で生活していて接触する「ありとあらゆる病原体」を認識するために、たくさんの数の受容体が存在します。
免疫細胞と言っても、たくさんの種類があり、細胞の種類によって、もっている受容体の種類も違います。それにより働きも変わってきます。
免疫を大別すると、自然免疫(警察)と獲得免疫(軍隊)に分けられます。警察で対応できなければ、軍隊を動かして問題を解決することになります。
ちなみに自然免疫(警察)は数分で動けますが、獲得免疫(軍隊)は動かすのに5日~7日程度かかります。
体内をパトロール中の警察は、病原体を認識しますが、悪い奴も悪そうな奴も、ざっくり認識します。取りこぼしが無いようにするために、受容体も少し甘めに作ってあります。
ざっくりと言っても、それなりに種類があり、基本的にはあらゆる病原体を認識できるようになっています。
受容体の種類 | 認識する物質 | 受容体の例 |
スカベンジャー受容体 | 変性LDLなど | SR-A, CD36など |
Toll 様受容体(TLR) | 細菌、ウイルス | TLR1, TLR2など ヒトでは10種類 |
NOD様受容体(NLR) | 細胞内寄生細菌 | TNOD1, NOD2, Nalp3など ヒトでは23種類 |
RIG-I様受容体(RLR) | 細胞内ウイルス | RIG-1, MDA-5, Lgp2 |
C型レクチン受容体(CLR) | 真菌、結核菌 | Mincle, Dectin-1, Dectin-2など17種類 |
ちなみに、 β-グルカンはCR3,Dectin-1,TLRなど、乳酸菌はTLR-2,9、LPS(リポ多糖)はTLR-4、フコイダンはTLR-4、AHCCはTLR-2で認識されます。
警察と違って、軍隊(特殊部隊やミサイル)の攻撃力は半端なものではありません。市民(正常細胞)を攻撃するような間違いがあってはならないため、病原体をより正確に認識できるように受容体も精密なものになっています。
特殊部隊はT細胞やキラーT細胞、ミサイルとはB細胞による抗体を意味します。
世の中のありとあらゆる病原体を認識するために、体内にはあらかじめ膨大な種類のきっちりレセプターが用意されています。
きっちりレセプターは、いくつかの種類の部品の組み合わせによってつくられます。今現在、世の中に存在しない病原体のレセプターを作ることもできます。
このような膨大な種類のレセプターが作られることを、V(D)J遺伝子再構成と言います。
ランダムな組み合わせで適当にレセプターは作られていきますが、桁違いな数のレセプターの種類を用意しておけば、「どんなタイプの病原体がきても、どれかのレセプターが病原体を認識するだろう」というような戦略です。
嘘みたいな作戦ですが、実際にこの方法でカラダはあらゆる病原体を認識し、カラダを守り切っています。
受容体がたくさんあるということは、極論を言えば、それだけの数の免疫サプリメントを認識できるということです。
基本的には、普段食べないようなものであれば、病原体として認識され、免疫サプリメントになりうるとも言えます。
ただし、病原体と認識されても、カラダには安全なものでなければなりません。今世の中にある免疫サプリメントは、動物実験などで確認して、どれも一応は安全なものと考えられているものです。