グルカンとは?
グルコース(ブドウ糖:単糖)がたくさん鎖状に連なった多糖のことをグルカンと言います。
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序章|免疫サプリメントについて
3. 様々な免疫サプリメント
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Introduction -導入-
β-グルカンは、植物や酵母、キノコ類の細胞壁に含まれる食物繊維です。
病原体に似た立体構造をもつため、カラダは病原体と誤認し、自ら免疫系を活性化します。
※ただし、すべてのβ-グルカンが免疫をサポートできるわけではありません。
グルコース(ブドウ糖:単糖)がたくさん鎖状に連なった多糖のことをグルカンと言います。
ちなみに、単糖が3~10の場合がオリゴ糖。グルカンは10個以上のグルコースでできています(モノにもよりますが実際には数千個)。
β型のグルコースのみでできたグルカンのことをβ-グルカンと言います。
グルコース(ブドウ糖)には、α型とβ型の2形態存在します。
結局、β-グルカンとは、ブドウ糖のみでできた食物繊維。
身近な例で言えば、豆腐、シイタケ、ゴボウといった、女性にうれしい食物繊維の仲間です。
β-グルカンは、ブドウ糖でできていますが、砂糖(二糖類)とは異なり、カロリーも無く食べても太りません。
また食物繊維なので、ほとんど吸収されずに体外に排出されます。
大別すると、大麦由来、パン酵母由来、キノコ類由来、黒酵母由来の4つになります。
大麦の細胞壁のβ-グルカンを抽出したもの。
免疫をサポートするというよりも、食物繊維としての働きがメインのβ-グルカンです。
β-グルカンのサプリメントとしては最近、登場したものです。
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パン酵母の細胞壁から抽出したβ-グルカン。
大麦由来のβ-グルカンと同じく食物繊維としての機能性の方がメインのものです。
β-グルカンの研究は1941年にアメリカで、このパン酵母からスタートしました。
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キノコの菌の細胞壁から抽出したβ-グルカン。
キノコは、細菌のような小さなものではありませんが菌類に分類されます。
1970年代から、日本においてはキノコ類由来のβ-グルカンの研究が始まります。
免疫をサポートする機能性を目的として研究は行われました。
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黒酵母と呼ばれる微生物に産生させたβ-グルカン。
大麦もパン酵母もキノコ類も、β-グルカンを手にするには抽出・精製が必要で、コストもかかっていました。
黒酵母の場合は、β-グルカンそのものを生み出せるため、コストのかかる抽出・精製を必要とせず、安くβ-グルカンを作ることができます。
免疫をサポートすることを目的として研究されています。
黒酵母の研究自体は1990年代にスタートします。
目的によって、選ぶべきものも違うし、商品によってもレベルは全く違う。
大麦由来のβ-グルカンを推奨します。最も安価に食物繊維を摂ることができます。
パン酵母のβ-グルカンを推奨します。パン酵母は食物繊維としての機能性がメインですが、免疫サポートの機能性もあります。
おおむね、キノコよりも黒酵母のβ-グルカンを推奨します。黒酵母はキノコの製造コストや安全面を改善しており、低コストでβ-グルカンを手に入れることができます。
※ただし、免疫サポートのレベルや安全性のレベルは、同じ分類のものでも、商品によって全く違います。
市場では、β-グルカンであれば免疫をサポートできると思われていますが、実際はそうではありません。
β-1,3-1,6-グルカンの中には、免疫をサポートしてくれるものもありますが、ただの食物繊維もあります。
β-1,3-1,6-グルカンという言葉は、β-グルカンのただの分類名に過ぎず、免疫をサポートできるβ-グルカンの代名詞ではありません。
β-グルカンにおいて、「この分類名であれば…」、「この分子構造であれば…」というように、必ず免疫がサポートできるということを保証する分類名や分子構造も存在しません。
では、どれが免疫をサポートできるβ-グルカンなのか?
その答えは単純で、「大学病院や市民病院などの公的医療機関等において、ヒトで試験して免疫をサポートできることが立証されたもの」が免疫をサポートできるβ-グルカンです。
このような間違いのないβ-グルカンを総称してBRMGと呼びます。
例えば
※レンチナンもシゾフィランも医薬品です。ソフィβ-グルカンは、医薬品ではないが、薬にするための試験に合格したもの。ソフィβ-グルカンは、安全性が厚生労働省で確認されているため食品として分類される特殊な成分です。
BRMGとは、BRM(Biological Response Modifier:生体応答調節物質)+Glucan(グルカン)の造語です。
もともとBRMGという言葉は世の中にありませんが、β-グルカンに対する世間の誤解を解くために、BRMGの一つであるソフィβ-グルカンを開発した会社が作った言葉です。
β-グルカン(BRMG)は、その立体構造が病原体(カビなどの真菌類)に良く似ています。
より正確には、病原体の表面に存在するPAMPs(病原体関連分子パターン)と立体的な構造が酷似しています。
病原体が入ってきたと思って、カラダは免疫系を自ら活性化する。
BRMGは、病原体に似ているため、カラダは病原体の侵入と誤認し、通常の病原体の時と同じように自ら免疫系を活性化します。
病原体表面にあるPAMPsは、免疫細胞などの表面にあるPRRs(パターン認識受容体)により認識されます。
β-グルカンというのは、ブドウ糖でできた食物繊維です。一部のβ-グルカン(BRMG)は、ヒトの免疫系をサポートすることができます。
他の免疫サプリメントとの大きな違いは、カラダに病原体と誤認されるもの自体が、「安全な食物繊維である」というところです。
食物繊維は、人間が自然界に生活していたとして、ごく自然かつ積極的に摂取するものであること(普通に食べるということ)も、将来的な安全面においても安心できるものです。