Introduction -導入-
牛乳は栄養やカルシウムがあるから飲んだ方がいいと昔から言われていますが、人によっては苦手な人もいます。なぜ、お腹が痛くなる人がいるのでしょうか。
お腹が痛くなるのは、乳糖を分解できないから。
牛乳の中には乳糖(ラクトース)という成分が含まれています。この乳糖を分解する酵素(ラクターゼ)を人間は持っていますが、大人になると、その酵素の働きが弱くなるため分解しにくくなります。
乳糖を分解できないと、体は何とか分解しようとして、腸内に水分をたくさん出して薄めて体外に排出しようとします。それによって、お腹がゴロゴロしたり、下痢したりすると考えられています。
<お腹が痛くなる流れ>
1. 乳糖を分解できない(だから排出したい)
↓
2. 水分が出て、消化物が薄まる
↓
3. 下痢する
そもそも人間は、大人になって牛乳を飲まない前提。
赤ちゃんは母乳を飲まなければならないため、赤ちゃんの時は乳糖を分解する力が当然強いと言えます。
逆に、自然界においては、大人に成長してから母乳(もしくは他の動物の母乳)を飲むことは無いのが前提であるため、自然と乳糖を分解できる力は弱っていくようにカラダはできています。
必要が無いから、乳糖を分解する能力が低下していきます。
つまり、大人が牛乳を飲んでお腹が痛くなる人がいるのは、とても自然なことです。
そして、飲んでも問題ない人がいるのは、分解能力が低下すると言っても個人差があるため、問題なく飲めてしまう場合もあるとも言えます。
無理に飲む必要は無い。
牛乳は栄養やカルシウムがあるから、子供の頃から飲みなさいと言われることもありますが、体に合わない人の場合は無理に飲む必要性は無いとも言えます。
そもそも、自然界の動物は大人になって乳を飲まないわけですが、もし生存する上で何か重大なメリットがあるのであれば、大人になっても乳を飲む種が生き残っているはずです。
今現在の自然界の動物が大人になってから乳を飲んでいないという事は、必ず飲む必要性は無いとも言えます。
むしろ何かしらのデメリットを被るからこそ、あえて避けているとも考えられます(牛乳に関しては、調べれば、多様な悪影響が報告されていたりもします)。
まとめ
牛乳が飲めない人がいるのは、遺伝というよりも、人間の進化における自然な現象と考える事もできます。
昔は、小学校の給食で必ず牛乳が出され、残すと怒られるようなこともあるような時代でしたが、現代では牛乳を出さない学校もあるぐらいです。
時代によって、良い悪いという概念は変わるものです。何事も自分が違和感を感じた時は、無理に社会の常識に従う必要性は無いのかもしれません。