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Column 0043 | 2019.07.28

空気清浄機で空気をキレイにするほど免疫は下がる?

空気清浄機
空気清浄機

現在の空気清浄機は、PM0.1(0.1マイクロメートル)の大きさのものまで除去できるものがあります。あまりに空気を綺麗にすると、今度は別の問題が生じてきます。

今の空気清浄機は、ウィルスまでも除去できるものがある。


現在販売されている空気清浄機の中には、ウィルス(0.1μm)の大きさの粒子までも除去できる高性能なものまであります。

PM2.5という言葉が有名ですが、PM(Particulate Matter:粒子状物質)で身近にあるものの大きさを表現すると概ね以下のようになります。

・ウィルス:PM 0.1
・細菌:PM 1
・排気ガス:PM 2.5
・黄砂:PM 4
・カビ:PM 5
・酵母:PM 10
・花粉:PM 30
・髪の毛:PM 70

※すべてが完全な球体ではなく、ものによっても幅があるため、おおよその大きさになります。


病原体に接触することも、免疫維持の大切な要素。


不衛生な自然界には、ウィルスや細菌、カビなどの病原体がたくさんあふれています。そのような過酷な環境に適応しようとして、カラダは自身を強くしようとします。

体内に侵入した病原体によって免疫系は活性化され、自然と免疫力が上がるようにできています。

逆に、病原体の無い空間であれば免疫を高める必要性が無いため、過保護とも言える環境に適応するために、カラダの免疫力は弱くなっていきます。

実は、カラダは自然の中の病原体をも利用して免疫力を高く維持しています。


逆に、風邪を引きやすくなる。


空気清浄機が、ウィルスや細菌などの病原体までも除去したい目的というのは、病原体を体内に取り込ませないようにすることによって、病気にならないようにすることです。

しかし、空気の綺麗な過保護な環境で免疫力自体が弱っていきます。空気清浄機のある自宅にいる時は問題が無いかもしれませんが、外出した際などにリアルな病原体に接触した場合は、免疫が弱っているため、逆に風邪などを引きやすくなるとも言えます。


まとめ


空気中の有害物質を除去することはカラダにとって良いことではありますが、本来自然の中に存在している病原体までも除去してしまうと、逆に免疫力を弱める環境を作り出してしまう事にもなります。

自然の中で生活することを前提に、すべてのカラダの機能は進化しています。そのため、自然な状態から離れれば離れるほど問題が生じたり、健康を維持しにくくなったりします。

人間の生活は、ただでさえ自然な生活から離れているのに、これ以上自然の理(ことわり)から外れると、さらなる問題が生じる可能性は高くなると言えます。

生活を豊かにするために人間が生み出すものというのは、度が行き過ぎると、時として自身の健康に悪影響を及ぼしてしまう事もあるのかもしれません。


Column 0043 | 2019.07.28


追記(2020.10.27)


こんなメールをいただきました。同じようなお悩みをもつ方へのご参考のために、メールへの回答文を追記しておきます。


メール内容 >

空気清浄機を購入して自身や家族の免疫が逆に低下してしまうのではないか心配です。


回答 >

ご心配される必要は無いかと思います。

空気清浄機によって、病原体まで除去すれば、病原体への接触頻度が低下します。それに応じて、免疫を高く維持するための一つの要因が無くなるため、免疫が低下する可能性が生じてもおかしくはありません。

ただし、免疫は、病原体に接触するかしないかだけで維持されているわけではなく、他にも様々な要因で成り立っていると考えられます。

例えば、運動量、食事、睡眠、ストレスなど。

むしろ、上記のような健康において基本的な要因の方が重要なことなのかもしれません。

つまり、空気清浄機を導入したからと言って、規則正しい生活習慣が送れているのであれば、特別問題視する必要は無いのではないでしょうか。

逆に、空気の悪い環境にお住いの場合は空気清浄機を導入されたほうが、ご家族の健康にとって良い場合もあります。

お客様が、大切なご家族のために空気清浄機の導入をご検討されているという事は、それなりの理由があってのことではないかと思われます。

最終的には、お客様で判断された選択が最善の選択になるのではないかと存じます。

あくまでも、個人的な意見にはなりますが、何かご参考になれば幸いです。

以上、何卒よろしくお願い致します。