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Column 0042 | 2019.07.27

偽のβ-グルカンを、買わないために。

しいたけ
しいたけ

免疫を高める成分β-グルカン。たくさんの商品がありますが、本物のβ-グルカンを選ぶためのポイントはそれほど多くありません。

β-グルカンとは?


ガン(癌)に効くということで一般的に知られている成分です。一部のβ-グルカンには、免疫を活性化させる作用があります。

β-グルカンはキノコの細胞壁などに含まれる多糖類(食物繊維)です。身近なキノコで言えばシイタケなどにも含まれますが、人間の消化酵素では細胞壁を分解できないため、普通にシイタケを食べても意味はありません。

これは、世界有数のキノコ消費大国である日本のがん患者数が他国に比べて特別少ないわけではないという疑問の答えでもあります。


β-1,3-1,6-グルカンだから免疫を上げるわけではない。


β-グルカンを調べれば必ず出てくる言葉がβ-1,3-1,6-グルカンです。市場では、 β-1,3-1,6-グルカンであれば免疫を上げる効果があるとも言われていますが、正確には、間違っています。

β-1,3-1,6-グルカンという言葉は、化合物を分類するための総称です。つまり、 β-1,3-1,6-グルカンという大きな枠の中に、食物繊維としての働きしか持たないβ-1,3-1,6-グルカンもあれば、免疫も上げてくれるβ-1,3-1,6-グルカンもあるということです。

β-1,3-1,6-グルカン
β-1,3-1,6-グルカン

公的医療機関でヒトで臨床試験をしているものを選ぶ。


購入に迷っているβ-グルカン商品が、β-1,3-1,6-グルカンであるとか、含有量が他よりも多いからとか、業界一位など、そういった理由に惑わされる必要はありません。

一番大切なことは、あなたが購入した商品を実際に口にした時に、本当に免疫が上がるのかが重要なことです。

つまり、実際の商品を使って、市民病院や大学病院などの公的医療機関において、ヒトでの臨床試験で結果を出せているかどうかが最大の判断基準とも言えます。

また、ヒト試験と言っても、自社で人を集めて独自にデータを取っているものから、薬にするための試験と同等レベルのものまで幅があります。


人体実験にならないように、ヒトで安全性の立証されたものを選ぶ。


β-グルカンの原料がキノコやパン酵母などの天然物であることから、イメージ的にはどのβ-グルカンも安全なように思えます。

しかし、製造工程で発がん性物質や有害物質が濃縮されるリスクもあるため、実際に口にする商品自体が本当に安全かどうかも重要なポイントです。

ほとんどの商品の場合は、天然だから安全であると謳っていて、安全性試験をしていないものもあります。中には、動物実験や、自社での独自のヒト試験のデータをもとに安全と謳っているものもあります。

黒酵母由来の商品の中には、厚生労働省自体が安全性を確認したものもあります。だからと言ってすべての黒酵母の商品が安全なわけではありません。


まとめ


β-グルカンに限らず、どんな健康成分においても、重要なポイントは機能性と安全性の2点です。

各社が謳っている利点や理屈に関してはそれほど重要ではなく、機能性や安全性が科学的に立証されているのかが重要です。そして、それらの評価は信頼できる情報なのかということも大切な要素です。

機能性や安全性に自信のない商品ほど、そのことを隠したり、独自の理屈を展開して他の商品との差別化を図ろうとします。

本当に価値ある商品を見分けることは難しいことですが、上記のような判断基準でβ-グルカン商品を絞れば、偽物のβ-グルカンを買わずにすむ可能性は高くなるのではないでしょうか。


Column 0042 | 2019.07.27